Uber Eats の報酬体系に「フラットレート」という新方式が導入されました。一見すると「時給制」や「固定給」のように見えますが、実際の仕組みはまったく異なります。
私自身、埼玉郊外でフラットレートを使って稼働していますが、誤解したまま始めると「思ったほど稼げない」というケースも多いと感じています。この記事ではフラットレートの仕組みやメリット・デメリット、終了条件、そして実際の稼働状況をもとにした感想をまとめていきます。
フラットレート報酬とは?
従来のUber Eatsでは配達リクエストを自由に選ぶことができ、「マグロ案件」と呼ばれる高額報酬を狙うのが稼ぐコツでした。ただし、その結果として拒否が多発し、配達パートナーがなかなか決まらず、料理の到着が遅れることもありました。
そこで導入されたのが「フラットレート」です。この仕組みでは拒否やキャンセルの自由度が大幅に制限され、受け続けた方が報酬が安定するようになっています。その結果、配達パートナーがすぐに決まり、注文者に料理が早く届くようになります。
フラットレートは「オンライン時間」ではなく「配達リクエストを受けてから完了するまでの時間」に対して報酬が発生します。つまり「時給制」ではありません。1時間あたり1,800円、休日は2,100円などと提示されることもありますが、実際にその金額を得るには1時間フルでリクエストを受け続ける必要があります。現実的には表示額より少なくなるケースが多いです。
メリット
- 案件選びの手間が減り、運転に集中できる
- 報酬の見通しが立てやすい
- 一発の大きな高額案件は減るが、全体的に安定的な収入になる
- 案件選びのストレスが減るため、交通事故リスクの低下につながる
デメリット
- 「全受け」が前提になるため、タワマンや長距離案件も避けられない
- 数珠鳴りし続けることは少ないため、表示されている金額より少なくなることが多い
- フラットレートを利用するには事前予約が必要
- 遠距離配達や件数増加で体力的な負担が大きくなる
フラットレート終了条件について
フラットレートは、1時間の間に2件以上キャンセルや拒否をすると終了となり、その後は通常の配達ごとの報酬に戻ります。
逆に言えば、意図的にフラットレートを終了したい場合は2回キャンセルすればよいということです。フラットレートが終了したからといって、配達パートナーにとって不利益になることはありません。
なお、注文者や店舗の都合でキャンセルされた場合は、このカウントには含まれません。
注意:フラットレートの“悪用”は絶対NG
フラットレートは一見「時給」に似ていますが、実際には「配達リクエストを受けてから配達完了するまでの間だけ」報酬が発生する仕組みです。逆に言えば、配達完了操作を意図的に遅らせれば報酬が発生し続けるため、不正利用の余地が生じます。
- 意図的な配達完了遅延は不正行為です。発覚するとアカウント停止など重いペナルティを受ける可能性があります。
- エレベーター内など電波が届かない場合の一時的な遅延は現実的事情としてやむを得ませんが、受け渡しが終わったら速やかに配達完了操作を行ってください。
ルールを守ってこそサービスは成り立ちます。安定した報酬を得るためにも、正しい運用を心がけてください。
私の稼働状況と実感
- エリア:埼玉の郊外
- 移動手段:125ccバイク
- 稼働頻度:週3〜4回、1日3〜4時間、休日メイン
フラットレートで稼働してみましたが、埼玉郊外では「僻地案件」や「トリプルピック」などのリクエストが発生し、それらを拒否できないのは正直困る点です。休日はフラットレートを使わなくても十分にリクエストが多いため、無理に利用する必要はないと感じました。
そもそもUber Eatsのメリットは「リクエストを自由に拒否できること」であり、面倒な案件を避けられる点にあります。フラットレートはその柔軟性を奪ってしまうため、効率を重視する人には合わないかもしれません。
むしろ都内のように、配達に時間がかかる割に報酬が少ないタワマン案件が多いエリアの方が、フラットレートと相性が良い気がします。待機が少なく、案件が数珠鳴りしやすい都市部では「効率が悪い案件も報酬に含まれる」ため、結果的に安定性が活きます。一方で地方や郊外では、僻地案件やトリプルピックまで受ける必要はなく、従来通り出来高制で稼働する方がメリットが大きいと感じました。
まとめ
Uber Eats のフラットレート報酬は「時給制」と勘違いされやすいですが、実際は配達中の時間にのみ分給が発生する方式です。安定性を重視する配達員にとっては新しい選択肢ですが、本気で稼ぎたい人にとっては従来の出来高制の方が向いている場合もあります。
そして個人的には、Uberの最大の魅力は効率よく稼ぐことにあります。割のいい案件だけを選んで高時給を叩き出すのが楽しいのであって、固定給のように縛られるやり方は少しナンセンスだと感じます。安定を取るか、自由に効率を追求するか──結局は自分のスタイル次第でしょう。

